2009年5月25日月曜日

ダイナミックエキスパンダー

FM放送は送信機の変調率が100%を超えないように、コンプレッサーやリミッターで音源を圧縮しています。また、カセットデッキは、ダイナミックレンジがレコードやオープンデッキのように大きくありません。そこで製作したのが、ダイナミックエキスパンダーです。
20年ほど前に製作し、リクエストが沢山あって、20台製作したのです。
このエキスパンダーは、懐メロなどのCD復刻版の会社に採用されて、長期間使用されてきました。





入力された音声は、低域と高域に分けられます。なぜ分けるのかその理由は、エキスパンダーで伸張するのがこの機器の役目ですが、全体域をいきなり伸張すると、ドラムやベース等の低域に、高域が一緒に伸張されて大変不自然になります。そこで、分けたのです。
 低域はエキスパンダーで最大2倍に伸張されて、高域はカセット等のヒスノイズを低減する、可変フィルター型のノイズフィルターに入ります。このフィルターはドルビーが掛けられていなくても、最大10dBSN比を改善します。
 それから、高域が減衰している音源に対して、高域を持ち上げるハイブーストがあり高域を改善します。このハイブースト回路は、高域が入力された時のみブーストが行なわれ、無い時はブーストしないので、SN比が悪化しません。
 そしてエキスパンダーに入り最大2倍に伸張されます。
 最後に低域と高域がミックスされて出力されます。
 手前味噌ですが、改善度はかなりあり、試聴した人はこれカセットなのと驚きます。
 古いCD等もばっちりです。FMも中々の音質に改善されます。

2009年5月23日土曜日

ハイパーなスピーカー

息子のところにしばらく居候していた、スピーカーが戻って来ました。このスピーカー、ユニットを友人が設計(前回のブログでも紹介したスピーカーユニットの設計人)したもので、箱も彼の作品です。パイオニアのリボンツイターを搭載しています。











このスピーカー何が凄いかって、9センチのフルレンジですが、音の広がりや、効率が良く、20畳の部屋でも問題なくカバーできます。サイズからは信じられない音量が出てきます。元々レコーディングモニター用に設計されたので、繊細なニュアンスまで聞こえます。














スーパーローを60Hz以下で付加してみたら、のびのびと鳴りっぷりは驚きで、思わずにっこりです。
彼のスピーカーの凄さを改めて再認識しました。

息子に嫁ぐアンプ

仕事の時、モニタースピーカーに使っていた、パワーアンプとイコライザーを息子が音質の良いアンプが欲しいと言うので、嫁入りさせることになりました。
5バンドのグラフィックEQにチャンデバを内蔵させました。
共振回路のコンデンサーは、全てフィルムコンデンサーを使用しています。
パワーアンプは、独立電源にして、電源を強化、レギュレーターで安定化して、電源のコンデンサーは、フィルムコンデンサーのみ使用しています。アンプ部は、クリスキットでも音質の良さが定番だったNECのモノリシックIC、μPC1238Vです。音質的には、直熱真空管のように濁りの無い柔らかな音です。
電解コンデンサーを使用したのとは、明らかに音質が違います。
音声系統やNF回路にも全てフィルムコンデンサーを使用して電解コンデンサーを使用していません。
今見ても力作だったなー(自分で感心しても使用が無い)

2009年5月11日月曜日

レコードとCD用トランス

現在、使用している音源は、AMFMチューナー、カセットデッキ2台、DAT、PCM、CD、レコードプレーヤーが有ります。しかし、使用しているシステムの入力が足りなくてMDが接続できませんでした。そこでCDの入力にセレクターを追加する事にしました。スイッチだけのセレクターでは、能が無いので、トランス付きを製作しました。タムラ製の10KΩ:10KΩのライントランスを使用しました。
出来は上場でトランスが無かった時よりも音が滑らかです。









さて、もう一つはレコードプレーヤー用のセレクターです。
これは、現在、MCカートリッジ専用のイコライザーアンプを再生に使用していますが、プリアンプ自体にもイコライザーが内装されています。レコード専用はCR型イコライザーを使用していますが、プリの方はNF型です。 こちらも使用したいと前から考えていました。ところがMMカートリッジ専用なので、MCトランスを付けることにしました。タムラ製の10KΩ:オープンを使用しました。スイッチはアース側も同時に切り替えないとループを起こしてハムノイズが出てしまいます。4回路のものを使用しました。






ノイズも無く中々の出来栄えです。NF型にトランスを付けた方は、音がすっきりしていて繊細な感じです。今度は2種類のイコライザーが使用出来、とても満足です。

2009年5月9日土曜日

なんとなくプリアンプ

自宅で映画鑑賞会をする度に今までは、仕事の機材を出していましたが、重いのと毎回設営が大変なので、チャンネルデバイダーを内蔵したプリアンプを製作しました。せっかく作るので、欲張って入力回路やダビング機能を充実させてみました。









リアパネルに未だ文字が入れていないのですが、入力が3回路、テープ入力が2回路でダビングやモニター回路も有ります。H8cm×W18cm×D15cmの小型サイズに仕上げました。








切り替え回路は音声用の金メッキミゼットリレーを使いました。
アンプ部の仕様は、増幅部がFETを使い、チャンデバのバッファーはOPアンプを使用しました。良く知られたRC4558を使いましたが、ミリタリー(軍用)規格を使用しました。一般と違い(一般製品はプラスチックモールド、ミリタリーはセラミック)、性能(温度規格や動作範囲)もさることながら音質がまるで違うのです。
写真は、左が今回使用したレイセオン社のミリタリー規格セラミックタイプです。右がSONY社のモールドタイプでオーディオ用です。SONY社のものも音は良いのですが、レイセオン社の方がはるかに良く安定度も高く、SNも良好でした。
テスト風景です。
低域にクラシックプロのP1000二台と高域にテクニクスにSE-100Aを使用しました。
テクニクスのSE-100Aですが、私は出力が100W×2と思っていたのですが、なんと240W×2だったのです。
譲り受けたとはいえ、自分で所有していて知らなかったとは、使用が無いですね!

2009年5月4日月曜日

連休はお笑いから

さーて、今日は、錦糸町楽天地(楽天では無い)で、エンタメの神様で準優勝した、江原正洋のお笑いショーです。













実際、ショーの最中に音響オペレーターの私までお笑いのネタに使うなど、頭の回転が早い、私も観客の笑いを取ってしまいました。楽しいひと時でした。


                           


出演中の写真はご法度で残念ながらありませんが、とても礼儀正しいさわやかな青年でした。物まねやギターを弾いての替え歌等、久しぶりに笑わせてもらいました。

流石、エンタメ準グランプリ!


2009年5月3日日曜日

ピアノ発表会

又しばらく投稿をサボっていましたが、昨日はピアニストの友人が収録している、生徒さんの発表会をお手伝いに行きました。写真が、ちょっと見づらいのですが、使用したマイクは、今や幻のガンマイク、ビクターMZ-1000とソニーのECM-979です。一般のガンマイクは、ロケや取材等の音声収録が目的なので余計な低域や高域は無く、音楽収録には向いていません。実際、オーディオテクニカのAT-815を所有していますが、EMG(外や悪条件下)使用でする事が多く、風等のノイズに強くするため、全く低域はカットされています。しかし、このMZ-1000は、低域も高域も良く伸びており、音楽収録にはもってこいの音質を誇ります。 しかも何故かプロ用機ブランド(本来BOSSがプロブランド)ではないビクター製です。残念ながら現在は生産終了で入手は不可能です。このマイクをメインにソニーのワンポイントマイクECM-979をテラーク収録法のように使って見ました。
普通ピアノの収録は、ピアノにマイクを左手(LOW)、右手(HIGH)とオンマイクで収録するのですが、発表会ということもあって、写真等の絵面が優先されピアノの傍にマイクを立てる事が許されなかったのです。最後部席にマイクを立てる条件下なので、かなり距離があり、客席のノイズが多く入ります。そこでこのガンマイクの登場になったわけです。しかし、このマイク1本ではモノラルになってしまいます。そこでソニーのワンポイントマイクで左右の雰囲気をブレンドしてステレオ感を出します。
この方式は、レコード収録の時代オーケストラ等の収録で話題になったテラークの方式です。オーケストラのように楽器が多い収録の場合、去れぞれにマイクを立てるマルチマイクでは、大掛かりになり、位相の問題や隣接している他の楽器の干渉は避けられません。そこで、ワンポイント収録が多いのですが、一般のホールのように天上から下げる釣りマイクでは、余りにも近すぎ雰囲気まで収録するのは、不可能なのです。そこでオーケストラから客席方向へ10m~20m離れた場所にマイクを立てて収録するのですが、中央の定位がぼやけてしまいます。そこでマイク1本で全体の音を収録、ここに左右に立てたマイクでステレオの臨場感を追加する方式を考案したのです。


今回、使用したミキサーはスェーデンSATT社のポータブル4CHミキサーを使用しました。テラーク方式では、音源からかなり離れて収録するので、オーケストラのピアニッシモの時はかなり音が小さく、ミキサーのSN比が良くないと、サーノイズに埋もれてしまいます。このSATTは元々、映画やロケ用に設計されているので、SN比は抜群です。しかも、音質も優れているのです。何故かヨーロッパ、北欧系の機材は芸術的な音のセンスがあります。
普段、PAの仕事が多く、久しぶりの収録でしたが、心のゆとりと豊かさを音楽は人間に与えるものだと改めて実感して、この世界を仕事にして良かったと思いました。