2012年10月10日水曜日

アンビエンス

前回、ヘッドフォンアンプを制作して、音が良かった事に気を良くして、普段、スピーカーで聞くような違和感のない再生の方法がないかと考えました。そこで思いついたのがアンビエンスコントローラーです。普通、スピーカーで音楽を聞くと音像が目の前に定位するのに対し、ヘッドフォンで聞いた時、音像が頭の中に出来てしまいます。この違和感を解決するために、考案されたのが、アンビエンスです。この方法は、なぜスピーカーとヘッドフォンとの違いを考える必要があります。スピーカーは耳との間に距離が有り、また部屋の残響音が付加されて来るのに対し、ヘッドフォンではこれらの距離や残響音が無い為このような事が起こります。そこで、人工的に残響音を付加すれば良い訳です。この方法は、当時のテクニクス(松下電器)が考案したものです。ディレイが音質的にも良くなかった為、結果は思わしくなっかのです。


当時は、アナログディレイしか無く、歪、S\Nも良くなく音質も悪化、ディレイタイムも簡単に可変できなかったので、個人個人に合った調整もできなかったのです。このため、このコントローラーを使用した人が、めまいや吐き気を模様したり、評価はイマイチでした。現在は、デジタル技術の進歩で、高音質のディレイが得られます。そこで、今回は敢えてこのアンビエンスに挑戦してみようと思いました。ディレイに採用したのはPT2399と言うデジタルICで、簡単にディレイが製作できます。しかも100mSの時で歪率は0.57%(これは最大の時)でアンビエンスに使用する時間は、10mS~50mSです。この時の歪率は、0.1%しかも帯域も100Hz~4KHzに絞って使用するので、0.1%を更に下回り、S/Nも90dBを確保できます。周辺パーツはコンデンサー、抵抗で10個位です。このディレイを2個使用して時間差ディレイを作り付加します。つまり左右で4個使用します。このICは、0~100mSまで連続可変可能です。1個、200円と大変リーズナブルで、大阪のイトウ電子で、入手可能です。しかも通販できます。完成したら、またご報告します。