2008年7月9日水曜日

再生装置のご飯

今日は電源についてお話します。
私のオーディオ機器はノイズカットトランスとノイズフィルターを通ってから供給されています。
何故、ここまでこだわったのか、それはアンプ素子に厳選した音楽再生に優れた素子を使い、コンデンサーや抵抗にも気を使う。回路も出来るだけシンプルにすると、増幅素子や周辺パーツだけの問題では解決できない問題にぶつかるのです。それは電源です。オーディオ機器のコンセントの極性を差し替えると音が変わる事を知っていますか?この原因は、商用電源(コンセントの電気)は片側がアースされています。しかも、コンセントの電気には、電信柱に張られたケーブルを通って給電されます。つまり電信柱に張り巡らされたケーブルは巨大なアンテナです。様々な電波やADSL、IDSNなどのデジタルのイズ、その他につながっている工場や、家庭からのノイズが全て乗って来ます。このためそれぞれの機器のコンセントの極性があっていないと接続ケーブルの-つまりアース側に迷走電流が流れてノイズをオーディオ機器内に巻き散らすのです。プロが使っているバランス伝送であればノイズはアースだけに流れ、-側には流れません。しかし一般のオーディオ機器はアースと-側が一緒になっているアンバランス伝送なのです。 このノイズが音を濁らせ、様々な問題を引き起こします。

パワーアンプ用のノイズカットトランスです。
プリアンプやCDなどのデジタル機器、再生機器用の電源BOXです。
このBOXの中にはノイズカットトランスが3個使ってあります。CDなどのデジタル機器用、フォノイコライザーアンプ、プリアンプ、チャンネルデバイダー用、そのほかの機器用です。それぞれに更に1回路ずつノイズフィルターが使われています。 プロの世界ではこのことは大変シビアーなのです。接続する機器が沢山あるので、コンセントの極性を全てあわせます。こうしないと機器間に非常に大きな電位差が現れ感電事故が発生します。 それだけでは有りません。機器そのものに悪影響を及ぼします。
以前、PAの現場で、極性をあわせずにパワーアンプとイコライザーを接続したら、イコライザーから煙出てイコライザーが燃えてパーになったことがあります。 電源の極性はとても大事なのです。 ノイズカットトランスは、いわば絶縁トランスです。完全にアース側のラインを切り離します。 しかも、普通のノイズフィルターでは取りきれないコモンモードノイズも防ぎます。 これによって極性はなくなりコンセントを差し替えても音は変わりません。

仕事でオーケストラの収録があるとき、今は映像も必ずといっていいほど一緒に収録します。 この時は、UPSを改造した電源を持っていきます。これと同じものが各メーカーから出ています。 一度、コンセントのAC100Vを直流に変換、クオーツロックで50Hzの信号を作り増幅してもう一度、AC100Vを作り出すものです。代表的なものとして有名な信濃という電源が有ります。多くのレコーディングスタジオで使われていますが、とても高いのです。そこで私は、常時給電型のUPSを改造して使っています。2台使用して、映像と音声とに分けて使用します。これによって映像からのバズ音などを防ぎ、映像自体も解像度が上がります。
また、電源の都合で、PAと照明が一緒になることがあります。この時、照明を調光しているトライアックからのノイズが乗ってジーという音がスピーカーから出てしまいます。この電源ユニットをPA機器側の電源に入れると全く出なくなります。

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