2008年10月16日木曜日

過去の遺産?

今日、高域用パーワーアンプに8年ほど使用していた真空管4P55を交換しました。音質がわるくなった分けでもないのですが、どのくらいエミゲンしているか確認するために交換して見ました。写真のように今まで使用していたのはNEC製(多分東芝製)です。元々4P55は、東芝が中波送信機用に開発した5極ビーム管です。プレートが共通でヒーターとカソードが2個あり、内部でパラレルに成っています。当時、NECと東芝が出力10KW~100KWの中波送信機を作っており、ドライブ管として4P55が使用されていました。東芝がライセンスを持っていたので、NEC製の送信機には、東芝から買ってロゴのみつけていたと考えられます。4P55は、プレート電圧が1000Vかけられ、AB1プッシュプルで駆動すると 220Wの出力が得られます。あまり存在を知られていない真空管です。確かに1本5万円する真空管です。一般的では有りませんが、私は、真空管が海外で開発され、日本オリジナルの真空管は殆ど無い中でこの4P55は代表的な存在と思っています 。シングル動作例が無ったのですが、MJ(無線と実験)誌で有名な佐久間先生によって日の目を見たのです。4P55佐久間アンプの試聴会の時、元女房と子供たちを連れて行きました。そのフォーカスがしっかりしていて透明で柔らかな、ウエスタンエレクトリックの300Bと互角に渡り合える音質に鳥肌がたつ思いをしたことを今も忘れません。










東芝製のに交換しました。結果的にはカソード電流を測ってみたら、A級シングル動作なので、通常100mAの電流ですが、5mAほど減って95mAになっていました。まだまだ十分使用できます。









左から6BM8、6V6GT、EL84(6CA7)、4P55
比較的大きいEL34が小さく見える。










下の写真は私の息子が九州へ行った時、撮ってきた新幹線の写真です。この新幹線も日本を代表する、東京オリンピック以来の歴史の長い交通機関です。










ロシアの戦闘機ミグが制御回路に真空管を使用していたというエピソードは有名ですが、(亡命のため、ミグが北海道に着陸した時、当時、私の父親が新日鉄の研究所にいたので、政府の依頼で機体の素材分析に行った。)核弾搭ミサイルや原爆などの高濃度放射線を発生する上空を飛行した時、半導体を使用している機器に与える影響は大きいと言われます。放射される様々な放射線が半導体のチップに穴を開けて破壊するのです。ちなみに人工衛星の寿命は、太陽電池の寿命に有ると言われます。太陽から放射される放射線が太陽電池の発電モジュールに穴を開けて発電能力が下がっていくのです。これは蓄電池の寿命よりも短いと言われています。この放射線が人体に当たると細胞のDNAに傷を付け結果的には癌になるのです。

話が脱線してしまいましたが、真空管を使用している機器は元々電子を使用しているため、殆ど影響を受けないと言われています。ロシアが開発していた真空管は、性能も素晴らしくこの4P55に通じるところがあると、私は思うのです。

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