2019年4月22日月曜日

チャンネルデバイダー

昨日、やっと完成した6P1Pアンプですが、モニター2をマルチ再生するにあたってチャンネルデバイダーを使用しました。
使用したのは、コンデンサーとコイルのパッシブ型です。
その昔、TADユニットの開発者木下氏がレイオーディオでチャンネルデバイダーとして
Xオーバーと称して使用していたのがそうです。











レイオーディオでは高性能パワーアンプでXオーバーをドライブ、CLフィルターで帯域分割してマッチングトランスでバランス出力にしていました。
そこで、これをお手本にして、まずインピーダンスを普段使用している600Ωに設定しました。
しかし、プロ用ミキサーなら600オームは余裕でドライブできるのですが、オーディオ用プリアンプでは無理が有ります。
そこでプリアンプの出力を1.2K:600Ωのトランスで受けます。
600Ωに変換した後、LCフィルターで帯域を分割します。
その後600:600Ωのトランスでそれぞれ出力します。
こうすることでバランス、アンバランスのどちらにも対応できます。











又、トランスを使用していることで容易に位相反転ができます。
さてトランスはタムラのラインシリーズ、LCフィルターにLは山水の小型トランスST
シリーズに磁気シールドを施し、CはシーメンスのMHKシリーズを使用しました。
山水のSTシリーズは電流さえ流さなければ、特性、歪率、音質ともに申し分無い隠れた存在です。
アクティブな部分がないのでまず故障することはありません。
普段は、仕事で、メインデバイダーの予備として使用しています。











昨日も使用しましたが、音質、使いやすさ共に申し分ありません。

6P1Pパラプッシュアンプノイズ対策

電源トランスから出力トランスへの誘導ハムが対策できたのですが、今度はドライブトランスの誘導ハムとドライブアンプのS/Nの悪さが表立ってきました。
ドライブトランスは、2W程度の真空管出力トランスを使用しています。
8Ω:10KΩで5KΩのタップをセンターに使用しています。
裸のトランスなのでギターのピックアップ同様、なんでも磁気を拾います。











ネットで収集した諸先輩のアドバイスを頂いて、まずはカバーを外して、ショートリングとして銅板を巻きます。











外部の磁気シールドは、強磁性体の必要があるのですが、有りました、缶詰の勘です。サイズは、おー、グリンピースの缶がぴったり、中身は豆ごはんに使用して、本当にぴったり、ラッキーでした。











トランス本体が缶に触れないように(触れると磁気回路が形成されて、シールドの意味がなくなる)ゴムのクッション材をトランスに巻き付けて缶に納めます。
本当に効果があるのかな、半信半疑ですが、とりあえず、収納します。











さて、当初使用していたドライブアンプですが、JRCの2073DのライセンスコピーのTDA2822を使用しましたが、2073Dは、過去にヘッドフォンアンプに使用して音質は良いのですが、S/Nがいまいちでした。
今回は、改善されていると期待を込めていたのですが、やはり同じでした。
そもそも、ゲインが40dBもあり、MCカートリッジのヘッドアンプでもあるまいし、パワーアンプICなので、無理な要求です。
さて、どうしようかと思っていたら、現に私が何度か使用しているフィリップス社のTDA7056Bがあるじゃないか。
このICの良さは、出力段はBTL構成になっていて、出力コンデンサーが必要ないこと、ゲインコントロールが外部でできる事、音質については、全国アンプ研究会の大会でこのICを使用して、出力トランスを並列給電にドライブして、パワーアンプを製作、審査員特別賞を頂いた、お墨付きICです。
このゲインコントロールを左右のレベル調整に使用しました。











ドライバートランスの銅箔リングと缶のシールドは功を奏してハムは全く聞こえなくなりました。
手前みそではないですが、素晴らしい!の一言に尽きます。











今回はリビングにモニター2を持ち込んで、今回のアンプを低域に6AQ5PPアンプを
高域に使用して再生しました。
ULと3極接続を切り替えられるのですが、それぞれの良さが有ります。











結果、当初のノイズ、ハムは解決でき、3極接続接の時、出力は6W、UL接続では10Wとなりました。
長年、オール真空管アンプでラージモニターを駆動したかったので、やっと、目的に到達できそうです。





2019年4月15日月曜日

6P1Pパラプッシュアンプ続き

シールドの無い電源トランスを使った事で、磁気ハム対策に四苦八苦して
電源トランスの方向を変えたりして、分かったのはトランスを取り付けた底板が
鉄製なので、磁気ハムをばら蒔いている事でした。
対策としては底板からトランスを浮かして離すしかありません。
電気磁気学でもお馴染みですが、磁界は距離の二乗に反比例するので、離すのが
一番の方法です。
そこで、トランスにスペーサーを入れて2cm浮かしました。
又、出力トランスも同じく浮かします。
これによって、スピーカーに耳を付けて微妙に聞こえる程になりました。
しかし、問題が残ります。
トランスの容量が私の計算の誤りによって、ギリギリに成ってしまいトランス自体の
発熱がひどく成り、かなり熱くなります。
底板に直接取り付けていた時は、底板に放熱されて、分からなかったのです。
そこで、なんとトランスに放熱器を取り付ける事にしました。
変電所のトランスでありまいし、普通では無い光景です。
でも仕方がありません。











音は私のオーディオライフの中で異彩なアンプに成りました。
どちらかというと、私の今までのアンプはプリアンプは、マークレビンソン、
パワーアンプはマッキントッシュ、といった音でしたが、今回のアンプはどちらかと言えば、マランツ9の様な音です。











モニター2をネットワークで鳴らしていますが、私が今まで製作した、アンプと違った鳴り方をしています。
細やかで繊細、低域もかなり締まっていて、重低音が再生されます。
UL接続と3極接続を切り替えると、3極接続ではこの傾向が顕著に現れます。
また、NFBの切り替えを付けました。
無帰還、有帰還を切り替えられます。
無帰還の方が開放的に鳴ります。
レコード、CD、MP3と片っ端から再生してみました。
モニター2もそうですが、モニター1が高域が落ち着いて、重心の低い音で鳴るので
ちょっと驚きました。
外観もまるでアキュフェイズのパワーアンプP300の様で気に入っています。
そういえば、私が大学生時代初めて購入した自作以外のアンプは同社のC200でした。


2019年4月8日月曜日

6P1Pパラプッシュアンプ

いよいよ大詰めに来たので、動作確認をしました。
電源を入れてB電源の電圧を確認しました。
思ったようにタップはAC230Vですが、整流後は無負荷で320Vあります。
本動作時は、120mA程流れるので抵抗で280Vまで下がる予定です。
とりあえず、真空管部はこれで良しとして、UL、3結の切り替えリレーとB電源のミュートリレーの動作確認しました。
切り替えスイッチを動かし、切り替えと、ミュートが正常に動作しました。
次にドライブアンプの確認です。電源の電圧は8V程度ですので、ドライブICを挿入して、
CDプレーヤーで音を入力、ドライブトランスの出力にイヤフォンを接続して動作確認しました。
しかし、サーノイズが多く、S/Nが良くありません。
ボリュームを上げると音が出ましたが、なんか不安定です。
そこで、とりあえず、真空管を刺して、スピーカーを接続、音を出してみました。











電源を入れたとたん、ブーンとハム音が出ます。えーまだ真空管は動作していないのに。
ミュート回路の動作後、B電源は入りハム音が更に増えます。
しかし、煙も出ないので、ボリュームを上げると、音が出ました。
音質はあまり良くない、何が原因か探っていると、ボリュームの位置で音が途切れます。
ガリかと思っていじっていたら、音が出なくなりました。
あれー、と思いドライブICに触ったら、あちちち、どうやら発振していたようです。
よくよく考えるとドライブトランスは接続側が8Ωですが、リアクタンス負荷になっているわけです。
あーあ、ICお釈迦(壊して)にしちゃったと思い、とりあえず20Ω3Wの抵抗をトランスとパラにしてみました。
ICを交換して再度トライ、音がまともになった。サーノイズも殆ど聞こえない。
UL、3結共に動作はOK、しかし、ハムが気になる、どうもシールド無しの安い電源トランスが仇になったようで、出力トランスと磁気結合してしまっているようです。
また、電流は110mA程度ですが、動作時のB電源は230Vまで下がっています。
電源トランスは、購入時のスペックでは、AC460V、60mAでセンタータップ両波整流で、AC230V、120mAです。整流後は、320Vくらいです。しかも、2個パラにしてあるので、240mAは流せる計算ですが、ここまで下がるのはトランスのスペックが、60mAでなくて30mAだったとしたら、2個のトランスで120mAになり、負荷が110mAですから、相応の電圧まで下がり納得いきます。
今後の課題としては、平滑用抵抗をチョークコイルに変更、電源トランスの位置を移動してハム対策をします。
チョークを発注、届き次第着手します。