100Hz以上の高域を受け持つダイドーボイス4個とリボンツイーターをドライブする真空管パワーアンプです。
当初パワーアンプは、直熱管2A3を採用したシングル真空管アンプを使用していました。スピーカーが現在の形になる前は、中高域に113dBもの高能率のゴトーのホーンユニットを使用していたので、3Wの出力しか出ない2A3で十分間に合ったのです。
しかし、ダイドーボイスになってからやはり3Wでは無理があります。そこで何か良い球が無いかと探していたのです。
私はマルチドライブにおいては、低域はトランジスター、中高域は真空管でドライブするのが適材適所と考えています。
300Bも考えましたが、直熱間ゆえ寿命が気になります。球の金額も馬鹿になりません。どうしようかと迷っていたところ、オーディオ雑誌、無線と実験で、佐久間アンプで有名な佐久間先生の記事を見たのです。
それは、規格は不明だが国産の送信管4P55は、素晴らしい音がすると、なんとその球は、私が日ごろから目にしている球でした。
この頃、放送局に勤めており送信機に常に使われていました。この球は、直熱管ではなく、傍熱管です。そのため大変ロングライフで、放送局では毎日使いぱなっしで、3年は持つ球です。局では、トラブルを防ぐため1年も使用しないうちに交換してしまいます。まだまだ使用できる球が沢山転がっていたのです。
早速、佐久間先生と連絡を取って、この中古4P55をお土産にもって、先生に極意を伝授していただくため、館山へ行ったのでした。
先生が言うには送信管とはいえ傍熱管で5極管なのでそのまま使用したのでは、ろくな音は出ない、スクリーングリッドとプレートの電源を別にすることがコツと話してくれました。
電源を当初は一緒にして製作してみました。しかし先生の言われたように、6CA7などと同じような5極間の音になってしまいます。そこでトランスとチョークを追加、別にしたところ3極管のような送信管独特の空気感を伴った音に変化したのです。先生の独自の手法に脱帽です。
しかもシングルのくせに15Wも出力がでます。中古管とはいえ、本来3年も連続で使用できる球を1年しか使用していない放出管を私が死ぬまで使用できる数を確保できたのです。
佐久間先生とは、これがきっかけで、もう20年ものお付き合いになったのです。
初めて行った秋葉原でのコンサートの時、妻と息子(当時小5)と娘(小2)を連れて行きました。
子供たちも素晴らしい音に聞き入って、現在、息子(25才)の再生装置は、先生の影響を私以上に受けています。
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